高額療養費制度では、「自己負担限度額」という上限が定められています。
医療費が高額になった場合でも、この限度額を超えた分は払い戻される仕組みです。
この記事では、69歳以下の方を対象に、所得区分ごとの自己負担限度額と具体的な計算例を整理します。
自己負担限度額とは?
自己負担限度額とは、1か月あたりに支払う医療費の上限額のことです。
高額療養費制度の全体像は、
「医療費で申請が必要なケースとは?高額療養費制度の基本と注意点」
で整理しています。
対象条件・判定基準
69歳以下の場合、所得に応じて区分が分かれます。
※年収区分は目安です。
実際の判定は標準報酬月額などで行われます。
※協会けんぽ・組合健保・国民健康保険など、加入保険によって基準の細部が異なる場合があります。
所得区分ごとの自己負担限度額【69歳以下】
69歳以下の方は、所得に応じて区分が分かれます。
※年収はあくまで目安です。
会社員の場合は標準報酬月額、自営業(国民健康保険)の場合は所得などを基準に判定されます。
実際の区分は加入している保険者で確認してください。
(2026年3月時点)
区分ア(年収約1,160万円以上)
252,600円+(総医療費−842,000円)×1%
区分イ(年収約770万〜1,160万円)
167,400円+(総医療費−558,000円)×1%
区分ウ(年収約370万〜770万円)
80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
区分エ(年収約370万円未満)
57,600円
区分オ(住民税非課税世帯)
35,400円
計算例:40歳・自己負担10万円の場合
前提
・40歳
・自己負担100,000円
・3割負担と仮定 → 総医療費約330,000円
① 年収450万円(区分ウ)の場合
80,100円+(330,000円−267,000円)×1%
330,000−267,000=63,000
63,000×0.01=630
80,100+630=80,730円
100,000−80,730=19,270円
② 年収900万円(区分イ)の場合
167,400円+(330,000円−558,000円)×1%
今回の総医療費は基準額に届いていないため、
1%部分は実質的に加算されません。
結果として限度額は約167,400円となり、
払い戻しはありません。
比較まとめ
| 年収 | 所得区分 | 自己負担限度額 | 払い戻し額 |
|---|---|---|---|
| 450万円 | 区分ウ | 80,730円 | 19,270円 |
| 900万円 | 区分イ | 167,400円 | 0円 |
同じ自己負担10万円でも、所得区分によって結果は変わります。
よくある誤解・注意点
- 限度額は1か月単位で計算されます
- 差額ベッド代など保険外診療は対象外です
- 申請が必要な場合があります
対象外費用の整理は、
「医療費が戻らないケースとは?高額療養費の対象外になる費用をわかりやすく解説」
でまとめています。
次に確認すること
- 自分の加入保険
- 標準報酬月額の区分
- 申請の有無
不明な場合は、加入している保険者へ確認すると確実です。
医療費に関する制度は、仕組みが少し複雑です。
制度の全体像は
「医療費の負担を軽くする制度まとめ|高額療養費・医療費控除をわかりやすく解説」
で整理しています。
参考・出典
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
(最終確認日:2026年3月3日)
※制度は改定される可能性があります。最新情報は必ず公式資料をご確認ください。


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