高額療養費制度では、1か月の医療費が一定額を超えた場合、その超過分が払い戻されます。
ただし、高額な医療費が続く場合には、さらに負担を軽くする仕組みがあります。
それが 多数回該当 です。
多数回該当になると、4回目以降の自己負担限度額が引き下げられます。
この記事では、
- 多数回該当の条件
- 自己負担額の変化
- 計算例
- 注意点
を整理します。
※制度は改定される可能性があります。最新情報は必ず公式資料をご確認ください。
高額療養費の多数回該当とは
多数回該当とは、過去12か月の間に高額療養費の支給が3回以上あった場合、4回目以降の自己負担限度額が下がる制度です。
高額な医療費が継続する場合、家計への負担が大きくなるため、この仕組みが設けられています。
対象になると、通常より低い自己負担限度額が適用されます。
① 多数回該当になる条件
多数回該当の条件は次の通りです。
- 過去12か月以内に高額療養費の支給が3回以上ある
- 4回目以降の医療費が対象になる
例えば次のようなケースです。
1月:高額療養費対象
3月:高額療養費対象
6月:高額療養費対象
この場合、4回目の対象月から多数回該当が適用されます。
なお、健康保険の種類や世帯の状況によって扱いが異なる場合があります。
② 多数回該当になると自己負担はいくら?(所得区分別)
69歳以下の自己負担限度額は次のようになります。
| 所得区分 | 通常の上限額 | 多数回該当 |
|---|---|---|
| 年収約1160万円以上 | 252,600円+(医療費−842,000円)×1% | 140,100円 |
| 年収約770万〜1160万円 | 167,400円+(医療費−558,000円)×1% | 93,000円 |
| 年収約370万〜770万円 | 80,100円+(医療費−267,000円)×1% | 44,400円 |
| 年収約370万円未満 | 57,600円 | 44,400円 |
| 住民税非課税 | 35,400円 | 24,600円 |
多数回該当になると、自己負担限度額が下がるため、医療費の負担を軽減できます。
※所得区分は加入している健康保険や所得状況によって異なる場合があります。
③ 多数回該当の計算例
例
年収約450万円
1か月の医療費:50万円
通常の自己負担限度額
80,100円 + (500,000 − 267,000) × 1%
= 約82,430円
多数回該当
44,400円
この場合、自己負担額は約38,000円下がります。
多数回該当の注意点
多数回該当にはいくつかの注意点があります。
- 対象になるのは過去12か月以内の支給回数
- 健康保険が変わると回数がリセットされる場合がある
- ・世帯合算の扱いは保険者によって異なる場合がある
制度の扱いは加入している健康保険によって異なる場合があるため、詳細は保険者へ確認してください。
次に確認すること
高額療養費制度を理解するためには、自己負担限度額の仕組みを知ることも重要です。
高額療養費の自己負担限度額については
「高額療養費の自己負担限度額はいくら?所得区分ごとの計算例を解説【69歳以下】」
の記事で整理しています。
医療費に関する制度は、仕組みが少し複雑です。
制度の全体像は
「医療費の負担を軽くする制度まとめ|高額療養費・医療費控除をわかりやすく解説」
で整理しています。
参考・出典
・厚生労働省
高額療養費制度について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
(最終確認日:2026年3月6日)


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